インドという国は不思議である。
いくつもの文化や思想、言葉が交差し、
それでも、1つにまとまっているようにも見える。
しかし、その歴史は未だよくわかっていない。
紀元前3000〜2000年頃に、
現在のインドの西側、
パキスタンとの国境付近に、
インダス文明と呼ばれる文明が栄えた事は、
はっきりしている。
更にこの出土品の中から、
シヴァの原型とも呼ばれる
角の生えた3つの顔を持つ像が発見された。
インダス文明は、
疫病や気候の変化
などの理由により、衰退し、
1700年頃には崩壊したと言われている。
その後、インドの経済的発展は、
インダス河から更に北東に上った
ガンジス川流域及び支流地域に移っていく。
それらの土地で、
仏教などの新しい宗教が生まれた。 |
紀元前2000年末に、
西北インドから別の民族が侵入した事で、
インドは大きく変わろうとしていた。
サンスクリット語で、「高貴な者」を指す、
アーリアと呼ばれるその者たちは、
体格もよく、色が白かった。
彼らは東欧からペルシャ
(現在のイラン)を通って、インドにやってきた。
イランとインドは共通する事が多い。
現在イランで話されている言葉は、
北インドで話されているものと同じ
インド=ヨーロッパ語族系統である。
アーリア人は、次第に先住民を支配化におき、
元々肌の色が黒かった先住民を、
「ダーサ(奴隷)」と呼んで区別した。
しかし、アーリア人は積極的に
先住民との間に子供を作った。
そのことで、アーリア人の地位が
脅かされる事を恐れた彼らは、
色という意味をもつヴァルナ
と呼ばれる構造を作った。
ヴァルナは以下の通り。
バラモン(聖職者階級)
クシャトリア(武士階級)
ヴァイシャ(生産者階級)
それは、肌の色で人々を区別する
階級制度の始まりだった。
更に、先住民達の間には、
洗浄と不浄の概念が慣習としてあったので、
色で階級分けされるヴァルナの構造は
一般的に受け入れられていった。
(ちなみに、インダス文明ではすでに水洗式のトイレが生まれていた。)
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